第176章

その名のとおり、魔獣研究者たちはこの馬型魔獣を「嵐の中に棲む不思議な魔獣」だと考えている。ほとんど同じ土地に留まらず、年がら年中、嵐を追いかけて移動する。どこかで嵐が生まれれば、そこにその影があるかもしれない――そんな存在だ。

だが、その習性こそが厄介だった。捕獲はほぼ不可能。しかも嵐が来る場所は、決まって甚大な被害をもたらす。つまり人間からすれば、暴風馬を見かけるのは「いいこと」ではない。だから暴風馬は、いつしか厄運馬とも呼ばれるようになった。

要するに――この三種の馬型魔獣は、どれもあまり人気がない。

だからアリシアは首をかしげ、ユゴスに尋ねた。

「どうして暴風馬が欲しいの? あ...

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